関西歴史研修の目的。それは、日本の伝統的な建造物や文化財を見聞きして、歴史と文化を知ること。そして、3年生でのカナダ語学研修に向けて、京都に住む留学生との国際交流を積極的に図ること。・・・中学2年生は事前学習を進め、社会や家庭科の授業などで奈良や京都について調べたり、創英祭で古都をテーマとした催し物を行ったりしてきました。そして、学習の中で知ったたくさんの事実を直接確かめるため、11月21日(水)から23日(金)まで関西歴史研修に行ってきました。
1日目は晴天のもと、主に奈良の名所を巡りました。法隆寺では、長い歳月を経た五重塔などの建物群に歴史を深く感じたり、回廊の柱がエンタシスと呼ばれるデザインであることを確かめたりして、感嘆しました。東大寺では、拝見した大仏さまが鎌倉とは異なった手の形や表情をしていることに驚きの声をあげ、その後は奈良公園に生息する野生の鹿との触れ合いを楽しみました。こうして鹿と人が共生できるのは、奈良公園の生態系の保全に多くの方が尽力してくださっているからだと心に留めて欲しいと思います。そして、京都の宿にたどり着いてから向かったのはライトアップされた高台寺。幻想的な雰囲気の中に浮かび上がる紅葉と優しい趣きのお寺、そして鏡のようにくっきりと水面に紅葉が映り込む光景に見とれました。・・・奈良で歴史と自然の織り成す景色を満喫し、翌日巡る京都への興味も一層沸いた1日目となりました。
2日目は、数多くの歴史ある建造物を有する京都を巡りました。南禅寺では、紅葉した景色の中にそびえ立つダイナミックな三門やレンガ造りの水路閣に目を奪われました。落ち着いた佇まいの銀閣寺では、庭園や向月台の砂盛りの美しさ、ほんのり色づいた紅葉樹を堪能しました。鮮やかな朱色で彩られた下賀茂神社(賀茂御祖神社)では、水みくじが生徒たちに大人気となり、引き当てた結果に一喜一憂する姿が見られました。龍安寺の石庭では、「足りないものを見つめて今の自分があることを感謝する」との禅の教えが心に染み入りました。華やかな外観を持つ金閣寺(鹿苑寺)では、三層構造や輝く鳳凰に目を凝らし、権威を表現した強い思いと迫力に圧倒されました。そして菅原道真ゆかりの北野天満宮では、学問の神様のご利益にあやかろうと参拝したり、「なで牛」と自分の頭をなでて学力UPをお願いしたりしました。・・・エレガントな京都の美しさと存在感に驚かされ、その奥深さの虜になった2日目でした。
最終日は、留学生との国際交流が行われました。この日のために必死に英語で自己紹介用のシートをつくり、留学生への質問を考えてきた生徒たち。ドキドキの対面式の後に班ごとに英語で自己紹介をし、留学生との班別行動をスタートさせました。「出身の国はどんな国なのか」「なぜ日本に来日し、ここで何を学んでいるのか」。建仁寺や清水寺、八坂神社など班で決めたルートをめぐりながら、英語でのコミュニケーションを図りました。会話が弾むうちに意気投合し、身振り手振りを交えながらも英語で語り合った班もありました。ゴール地点の三十三間堂では、留学生との別れを惜しんで涙ぐむ班も。きっと濃密で忘れられない時間を過ごしたのでしょう。来年のカナダ語学研修に繋がる国際交流の足掛かりとなることを願います。