9月30日(金)の総合学習のゲストは、東京女子医科大学特任准教授の北原秀治さんでした。「なぜがんから血が止まらないのか?」という疑問を抱き、がん研究をやってこられた北原さん。「がん」を医療側、患者側、社会側の側面からとらえる話や多彩なご活躍に生徒たちは釘付けになっていました。「がん」という言葉から連想される「患者」は「がん」を取り巻く環境の一つであるという発想は大変興味深く、主人公を誰(何)にするかで、物語は変わるということを語っていただきました。
政治と科学の融合にも関心を示されておられ、日本の研究者の働きやすさの改善や「がん」と言われても動揺しない社会にしていこうという姿を見て、その熱意はどこからくるのだろうか?と興味を抱く生徒たちもおりました。今後、何か熱中できるテーマを探し、それについて研究したり、実際に行動できたりする姿が見られるようになるといいですね。「未知の世界で学ぶと思わぬところで、つながりが見えてくる」「誰を主人公とするのか一歩引いて考えることが大切」・・・。様々な分野を経験されてこられた北原さんのおっしゃる言葉に生徒たちは思い思いに感じるところがあったことでしょう。北原さん、ありがとうございました。
10月14日(金)は2名のゲストがいらっしゃいました。1人目は元陸上選手でありDeportare Partners代表の為末 大さんです。講話で為末さんは、生徒たちに「自分の夢って何ですか?」という問いかけをしてくださいました。生徒たちは思い思いに答えておりましたが、知らないうちに夢=職業というレッテルを張っていることに気付かされました。為末さん自身も同じ経験をされ、「世の中にある当たり前だと思っていることが外れたらどうなるか?」という言葉に生徒たちははっとさせられた様子でした。また、算数と言語の学習の重要性についても触れられており、定期試験を控える生徒のモチベーションアップにも繋がったのではないでしょうか。陸上選手としてのお話や現在のお仕事の話などマルチに活躍されている為末さんの話に生徒たちは終始魅了されていました。
2人目は経済産業省に務めておられる浅野 大介さんです。日本の学校のGIGAスクール構想を推し進めてこられた浅野さんは生徒の学び方の視点や先生の働き方の視点といった多角的な視点から、今後の学校教育のデジタル化に至るまでたくさんのお話をされました。改革意識の高さに生徒たちは驚いた様子で、改革意識の源や今までで一番難しかったことなどについて興味を持ち質問している生徒が多数見られました。本質を突いたような質問も見受けられ、相手の考えや思いを知りたいという生徒の意欲が高く感じられました。お二人の講演会は、生徒が今抱えている様々な期待や不安に対するヒントがちりばめられているものでした。為末さん、浅野さん、貴重なご講演をありがとうございました。
10月27日(木)にいらっしゃったのは、麻布大学で准教授をなさっている澤野祥子さんです。「身近な食品が何でできているか?」をテーマに、生徒たちはクイズを含めて楽しく学ぶことができました。食品の表示には多くの情報が含まれており、食品添加物やアレルギー物質表示、栄養成分表示などが入っています。情報の読み方を学んでいくうちに、表だけでなく裏の情報をよく見て購入する大切さがよくわかりました。最後に、『中学生はダイエットせず沢山食べ、身体を動かす事』というメッセージをいただいて、特別講義は終了しました。